MARC PANTHER

Globe-Trotters Journal

OCHIEYE’S PRESS No.11 愛知県名古屋市 株式会社エスワイフード

毎度、落合商店です。
 

今週も落合商店独自の目線で街を見る『OCHIEYE’S PRESS』をアップします。
 

今回は名古屋めしの代表格である手羽先。手羽先と言えば『世界の山ちゃん』の『幻の手羽先』だ。
 


 

唐揚げで有名な大分県中津市で育った私は当然のように唐揚げが大好物で、手羽先も例外ではない。しかし近所に山ちゃん店舗がなかったので、大人になるまでこの幻の手羽先を知らずにいた。
 

初めての幻の手羽先体験は確か25歳の頃。
当時夏休みのキャラクターショーでMCをするために1カ月間、愛知県蒲郡市のアミューズメントパークにいた。
そこで名古屋めしの洗礼を受けることに。
社員食堂で毎日スタッフの皆さんと味噌カツや味噌煮込みうどん、あんかけスパゲティなどをいただき九州とは違う食文化の虜になった。
 

休みの日、名古屋市内での飲み会に参加した後の電車に乗る前だった。
あの『鳥男』の看板に吸い込まれて人生初の幻の手羽先体験をしたのは。
 

まず最初の感想「えっ!!!食べやすっ!!!」
手羽先は好きだったが、不器用で綺麗に手羽先を食べるのが苦手だったこともあり、率先して食べることはなかった。
 

しかし山ちゃん推奨の食べ方(真ん中を捻って折る)をすると骨から身が綺麗に離れてノンストレスで食べることができたことには感動した。
更に驚いたのはその後。
濃い味の幻のコショウが口の中に広がり、そのインパクトにやられ…。ビールも進んだ。
 

それから、愛知県に滞在している期間中、休みがあれば幻の手羽先を求め電車に乗って金山駅(名古屋駅に次ぐターミナル駅で駅周辺に複数店舗展開をしている)に向かった。
 

その数年後に縁があり、名古屋に約2年間住むこととなる。
職場と住む場所は金山駅近くを選んだ。
これにより、いつでも山ちゃんに行けるようになったのだが、いざすぐ近くに山ちゃんがあるとなると、思っていた程通うことはなかった…。
 

名古屋を離れ、九州に戻るとまた恋しくなる幻の手羽先。
 

落合商店を立ち上げる前、当時の主力商品だった洗剤を飲食店に売っている中で、「どうせなら自分が好きなお店に使ってもらおう!」と思い立ち、意気揚々と夜行バスに乗り込み名古屋へと向かった。向かった先はもちろん、『世界の山ちゃん』である。
 

落合商店を立ち上げる半年前。売れる自信と勢いだけで。
 

結果として契約には至らなかったのだが、清々しい気持ちだったことを覚えている。
 

その後、世界の山ちゃん創業者「山本重雄」氏の自伝漫画が売られていることを知り、エスワイフード本社から購入した。
 


▲この漫画で創業者の重雄氏が既に他界していること、婦人の久美さんが代表に就いてることを知る 
 

漫画を読み感銘を受け、そこから「ただの山ちゃんの幻の手羽先好き」から会社としての「エスワイフード」に魅了されていくこととなった。
 

時々担当部署の方と連絡を取り合ううちに、いよいよ福岡にも出店したいという情報を掴む。
 
福岡1店舗目は博多駅バスターミナルで昨年6月にオープンを果たした。
 

 

福岡にやっと世界の山ちゃんができた時は嬉しさと信じられないという気持ちが入り混じっていたことを覚えている。
 

▲博多バスターミナル店オープンレセプションで久美さんと
 

その世界の山ちゃんが福岡2店舗目として、天神西通りに先週末4月26日(土)にオープンした。
 

▲世界の山ちゃん天神西通り店
 

更に5月には北九州にもオープンするのだ。
 

前置きが長くなったが、ここで代表を務める山本久美さんにオープン日前日のレセプション前に時間をいただきインタビューをすることができた。
 

山本久美さん
 
 

 

株式会社エスワイフード代表取締役 静岡県出身、名古屋市育ち。
小学校から大学卒業までバスケットボールに打ち込み、その間キャプテンとして全国優勝を経験。
世界の山ちゃん情報誌『てばさ記』を手掛ける他、元小学校教師やバスケットボール指導者という経歴を活かして講演会なども行っている。(指導者としても全国優勝を経験)
 

まずは福岡2店舗目のオープンおめでとうございます。久美さんから見て福岡や九州はどのような印象でしょうか。
 

久美さん(以下K) 両親が大分の宇佐市出身で、叔母も福岡にいたので昔は九州によく来ていました。とても馴染みがあり、私のルーツの場所のひとつでもあると感じています。
鶏の消費量も高く、養鶏場も多いですよね。父の実家は宇佐の山奥、安心院(あじむ)の板場という地区で鶏を絞める作業をしていたんです。なので幼少期は鶏が食べれなかったんですよ。
 

まさかそれが山ちゃんの代表に就任するとは…
 

K そうですね。手羽先を名物にして売り出す会社の代表に就任するとは思ってもいませんでした。
 

今後も福岡に留まらず、九州各県にも出店をしていただきたいと願っております。
九州の、その他にもまだ山ちゃんがない県の皆さんへ幻の手羽先をもっと身近に感じられるように。
今後の出店計画などはいかがでしょうか。また、出店に関して場所や店舗面積などどのような条件があるのでしょうか。
全国の不動産業者の方の参考になればと。
 

K 今期は新たに5店舗、海外を含めて6店舗出店が決まりました。
出店の条件は規模でいうと100席前後ですね。昔と比べて大箱での出店はしないようにしています。
大人数での宴会も少なくなっているので…。
 

コロナの影響は関係ありますか。
 

K いえ、コロナ以前からですね。ただ、コロナをきっかけに変わったこともひとつです。
コロナで約30店舗の閉店がありました。ほぼ売上がなくなって、あの頃は終わりが見えない期間で何をどうすれば良いのか全く分からず、暗中模索の日々でした。
「できることは何でもしよう!」とお弁当販売や持ち帰りの強化、宅配サービスの開始。
当時店頭から消えたマスクを手作りして寄付しようと考えて事務所にミシンを持ち寄ってみんなで協力してひとつのことに取り組むことで不安な気持ちが和らぐ気がしていたように思います。
 

 

コロナのダメージはありましたが、皆様のお陰で今期は過去最高の売上を出すことができました。店舗が増えたことも要因のひとつです。
 

なるほど。久美さんが代表に就かれたあと、そのような大変な時期を乗り越えて創業者重雄さんの出身地である岐阜県に出店させ、重雄さんの故郷に錦を飾りました。次は久美さんの出身地である静岡県への出店などもありえそうですね。
 

K そうですね。静岡の皆さんから良く言われるんですよ。「何で静岡を避けるんだと…笑」避けているつもりはなく、でもそろそろ静岡にも出店したいですね。
 

店舗開発担当者「出しますっっ!!!」
 

K 次は仙台出店が決まっています。
 

ところで、私が御社のことを知った時には既に重雄さんは他界されていました。漫画で知った「立派な変人たれ」という言葉に影響を受けました。
生前にお会いし、お話しできていれば…と悔やんでいます。
手羽先サミットなどで関わりがあった方から重雄さんについての話しを聞いたことがあるのですが、婦人である久美さんだからこそ知る、重雄さんの素顔やエピソードなどはあったりしますか。
 
手羽先サミットとは…
 

 

K 私は会長(重雄氏)の生前は主婦でしたので、社内での会長の姿を知らないのですが…家庭では優しい普通の父親でしたね。ただ、怒るきっかけがわからないこともありました。
例えば娘が勉強を夜遅くまでやっていた時に急に怒ったり。「何時までやっているんだ!勉強だけやっていればいいってもんじゃない!」みたいに。
会社でも怒った時は怖かったみたいですよ。
 

写真では穏やかな表情も多く、漫画でも怒ったシーンは殆ど出てこないので意外です。
 

K いやぁ、凄かったみたいですよ。灰皿が飛んできたりとか…笑
ただ、いつも怒っているわけではなく社員を想って間違っていると思うことを正そうとして怒っていたので。そんな会長を笑わせたいという思いで皆さん頑張っていた面が多くあると思います。
 

灰皿ですか…!それは漫画では知ることができなかった一面でした。
重雄さん、多趣味でもあったんですよね。以前御社へお伺いした際に重雄さんが作ったお猪口が展示されていて、見入ってしました。
他にどの様な趣味があったのでしょうか。
 

▲本社には山本重雄氏が作ったお猪口が展示されている
 

K ギターだとかマジックもやっていましたね。上手い下手は関係なく、人を喜ばせるというエンターテイナーみたいな感じでやっていたように思います。
 

 

 

 

▲『愛知陽水』という芸名でアフロのカツラを被りギターを披露していた。
 

そうなんですね。やはりそのような趣味指向が「遊び心」と言いますか、山ちゃん独自の世界観であったり良いと思った物は何でも取り入れるというスタイルに繋がっているのでしょうか。(店名の由来やヤマリンピックというレクリエーション、幅広いオリジナルグッズ展開にラジオ体操の歌詞を変えた社歌。1号店がオープンした際の『てばしゃ~き~号』など、数えあげればキリがない)
社員の皆さんが楽しそうにしているのを見ると羨ましいです。
 

 
 


 

 

その様な重雄さんから久美さん自身も何か影響を受けているなと感じる点はありますか?
また、久美さんが手がけている「てばさ記」についての想いがありましたら、お聞かせください。
 

K 影響を受けている部分で言えば、やはり「立派な変人たれ」です。
この言葉はダブルミーニングで、人と違うという個性を尊重して人と違うことをする、ちょっと変で面白いということに加え、変化を恐れず受け入れる人という意味です。なので会社も常に変化をしています。
もちろん変えない点は変えずに、今の時代や人に合わせて良い方向に変えて行っています。おそらく会長がまだ生きていても、変わり続けていると思います。
対して変わらない点で言えば、幻の手羽先の味と社員を守ることです。
「社員=家族」と考えています。
 


 

「てばさ記」は当時主婦だった私が会長から初めていただいた仕事です。
 

 

小学校教師の頃に学級便りを書いていて。その経験を活かして始めました。
当時お客様から「待ち時間が長い」という天使の声をいただきまして。(会長はクレームではなく、「天使の声」と呼んでいた)
そこから待ち時間を退屈させないように読み物として作り始めたんですが、気付けば年内に300号に届く予定です。
1号からのバックナンバーも全て揃っているので、お気軽に店舗、本社までお問い合わせください。
「てばさ記」が主婦だった私と会社を繋ぐ唯一の架け橋でした。
何もわからずに代表に就任して当時は大変な思いもたくさんありましたが、「てばさ記」のお陰で社員の皆さんとコミュニケーションが取れたりと、大切な存在です。
 

本日はレセプション前のご多用の中お時間を頂きましてありがとうございました。
天神西通りにオープンということで、流行らせたい物があるんです。以前、御社へ伺った際にお土産で頂いた鳥男キャップなんですが…。
 

▲博多バスターミナル店オープンのレセプション時に久美さんからサインをいただいた一点物 
 

これお洒落だなと思って。これを被って福岡で流行らせたいと思っていたのですが…すみません、私の影響力は弱く…。
ただ、今回西通りにできたことで多くの若者が購入するように、被ってアピールしていきます!
 
あとキッチンカーもあるようで、是非今後九州の方にも来てください。
 

 

マークパンサーさん、福岡に来たら世界の山ちゃんで乾杯しましょう!!!そして山ちゃんキャップも一緒に被りましょう!
 


 

世界の山ちゃん天神西通り店
所在地:〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神2丁目6-21-1 DK天神ビル2-3階
営業時間:月〜木 17:00~0:15 
     金・土・祝前 17:00~2:15
     日・祝 17:00~23:15
HP:https://syfood-japan.com/
Instagram:https://www.instagram.com/sekainoyamachan_official/

 

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