MARC PANTHER

Globe-Trotters Journal

OCHIEYE’S PRESS No.9 福岡県福岡市 OCHIAI SHOUTEN

毎度、落合商店です。
 

今週も落合商店独自の目線で街を見る『OCHIEYE’S PRESS』をアップします。
 

今回は大分県の記事を書こうと思っていてのですが、別サイトで大分の記事を書いてる都合上書くことができず…。
ただ、軽く触れるだけならOKとのことだったので、軽く触れておきますね。

前回の記事では静岡県の織物会社、榛地織物の作務衣を紹介しました。
その作務衣に合わせたいアクセサリーのひとつに数珠があります。
お勧めの数珠が大分県臼杵市にあるのです。
 

「臼杵!!!?」
 

globeファンのみささんには、ピンとくる地名ではないでしょうか。
そう、KEIKOさんの出身地ですね。
 

KEIKOさんの実家、山田屋近くの仏壇店『山本鳳凰堂』で売れられている数珠がこちら。
 

 
なんと…300年前臼杵の木で作られた数珠です。
 

globeファンの皆さん、臼杵へ行った際は是非購入してみてはいかがでしょうか。
マークさんも是非、購入をお勧めします

さて、数珠の話しはここまでにしておいて…。
今週は何を書こう…?
数珠について書くつもりだったので取材ができていないのです。(いや、取材のストックくらいしとけよ。)
いつか書こうと思っていた私の趣味として緩くやっている「ボロ服加工」について、このタイミングで書くとします。
 
 
昔に比べ服の価値が低くなったなと常々思っています。
 

昔はどうだったか。
裏原ブームと呼ばれた各ブランドの人気商品を求めて並んだ若者たち。大きなブームを巻き起こしたエアマックス。
それを履いた人を襲うエアマックス狩り。(これは犯罪ですが…)
 

その他、多くのファッション誌に掲載されたり、人気のドラマで着用された、もしくはアーティストが着用した商品を求めてお洒落をする。当時それらの服は安価で売られているようなケースは殆どありませんでした。
 

それだけ服にかける情熱があったのだと思います。
だからこそ使い捨てではなく、大事に着ていた人が多かったように思うのです。
 
今はどうでしょうか。
使い捨て前提で、誰でも気軽に買えるファストファッション。
 

リサイクルショップで安く売られている、人気ブランドやヴィンテージの古着。(これはこれでエコであったり、安く買えるので嬉しいのですが、価値を下げている要因の一つになっていると感じています)
 
確かに安い物は購入する側にとってはありがたいです。
しかし安く買えるということはそれなりの理由があり、苦しんでいる人がいるのも事実。環境破壊という現実も目を背けてはいけません。
 
どういうことか…?
 

まず服を作るには水が大量に使われます。避けて通れない綿花の栽培。
 

1kgのコットンを生産するために、約2,000リットルの灌漑用水と約6,000リットルの雨水が必要。
1枚のTシャツを生産するために、約2,700リットルの水が使われているそうです。
 
綿花の栽培は水資源の激減に加えて、枯渇リスクが高い地域に多く集中しているとのこと。
砂漠化が進み、生きるために必要な安全な水を飲むことができない人たち…。
綿花栽培などによる大量の農薬、工場から流れ出る多量の排水は環境負担へと、女性や子どもたちの過酷な長時間労働という人権問題も存在しています。
 

その他原料の輸送、紡績に染色、裁断や縫製…服の生産には想像以上に莫大なエネルギーを消費しているのです。
これはファッション業界全体で年間約90,000ktもの二酸化炭素を出していると言われています。(想像ができない…)
 

石油原料の合成繊維は生産する過程で大量のエネルギーを消費するので特に排出が多く、服1着作るために排出される二酸化炭素は約25kg.(これも想像できない…)
 

ファストファッションは「短いサイクル」でトレンドを取り入れて、「大量に生産」しているのです。もちろん売れ残りの服も多くでることでしょう。それらは一度も袖を通されることなく処分され、また二酸化炭素を排出…。
 

私はファストファッションの販売店では服は買いませんが、皆さんに「買うな!」と言っている訳ではないのです。
 
「飽きたら捨てればいいや。」という軽い考えで簡単にトレンドを取り入れた服を買う前に一度、「本当に必要か?」と考えてみてほしいのです。
買うのであれば、高かろうが安かろうが簡単に捨てることなく使い倒す、もしくは3R(リデュース、リユース、リサイクル)を推奨しています。
 

そんな発想の中で生まれたボロ服加工。
一番最初に手掛けたボロ加工がこのパンツ。
 

 

もとは普通のカーゴパンツでした。(某リサイクルショップで980円+税で購入)
 

絶妙な色とシルエットが合わせやすく、着用頻度が高かったので右膝部分に穴が空いてしまい、徐々に広がってしまいました。
1枚の当て布からスタートしツギハギが増えていく中、「どうせなら…」とサイドにリボンテープを付けたりと私なりにデザイン要素を取り入れて「ただのボロ服ではない感」というものを出した…つもりです。
 

その次にスニーカー。
 

 

汚れが取れず履かずに奥で眠っていたスニーカーにツギハギを施しました。
このツギハギに使われた布は、ウエストのゴムが伸びたり破れたりしたしたボクサーパンツ…要は下着です…(笑)
 

妻からは「それ…どうなん?」と笑われましたが、結構気に入っています。
笑われるくらいが丁度良いのです。
 

そして、破れや汚れで安く売られていたパンツを敢えて購入して(同リサイクルショップで980円+税)娘と一緒に落書きを施した1本。
 

 

 

これは、もう思い出となり、手放すことはできないパンツになりました。
 

これはボロという訳ではないのですが、頂いたウエストバッグのデザインが好みではなかったのでツギハギに。
 

 

これにも破れた下着や靴下が使われているのですが、それに加え娘が着なくなった捨てられる寸前の服を切ってツギハギに取り入れています。
娘が着ていた服という思い出を込めて。
 

そして、仕事で必要だった白いシャツ。必要と言ってもほんの数回着用するだけだったので、同リサイクルショップで500円+税で購入。
不要となった後は、娘たちに手形を押させました。
 

 

(手形だけに収まらず、落書きも)
 

このシャツも娘たちの成長が実感できる思い出となり、着続ける中で破れては当て布でツギハギに…となっていくでしょう。
 

更にはお気に入りのスーツが破れたので、スーツにもツギハギを施している最中です。
出来上がった際には着用した画像を載せたいと思います。
 

まぁ、趣味として空き時間を見つけて作業をしているので、いつ完成することやら。
 

と、昔に比べて服の価値がなくなりつつありますが、生産過程で多くの環境負担、人権問題があるという側面を忘れずに、服を大切に着倒そうという話しでした。
(服に限らず、音楽だったりスマホで何枚も撮れる写真だったり、多くの物が簡単に手に入ったり便利になりすぎて価値が下がってきているなと感じています)

そして今週末、福岡市の鳥飼八幡宮では『第3回鳥飼八幡宮古着祭り』を開催します。
 

 

古くなればなるほど価値が上がる古着という存在を子どもたちにも知ってほしいものです。
 

マークパンサーさん、破れや汚れ、または色あせて着なくなった服がありましたら、私に送ってください。
 

OCHIAI SHOUTEN
Instagram:https://www.instagram.com/ochiai_shouten_official/ 
 

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