MARC PANTHER

Globe-Trotters Journal

TORUのぽかぽかブログ faces places Vol.3 part2

イラストレータand BARマスター TORU

ゲイフレンドリーの

Barぽかぽか屋では、週に数人ですが海外の方がこられます。海外ではいろいろ日本と異なる形の生活スタイルが存在するそうです。

拙い英語で彼らの話をきいてると心がほっこりぽかぽかします。

今回のシチュエーションは昔の思い出です。

◆faces 幼いころの僕や友達🐨

◆place 幼稚園

 

(※前回読まれた方は続きまで飛ばしてください)

52歳になった今でも、あの幼稚園の出来事を忘れることはできない。

5歳のとおるにとって、幼稚園は楽しい場所だった。みんなが笑顔で遊び、毎日が冒険の連続だった。先生の優しい声、友達の笑い声、砂場で作った山や泥だんご――すべてが輝いていた。

 

ところが、九月の終わり、とおるは風邪をひいてしまった。たった三日間休んだだけ。月曜日から水曜日までの三日間。ほんの少しの間、幼稚園を離れただけだった。

木曜日の朝、とおるは久しぶりの幼稚園に少しワクワクしながら向かった。久しぶりにみんなと遊べる。きっと「おかえり!」と迎えてくれる。そんな期待を胸に、園の門をくぐった。

しかし、そこに待っていたのは、まるで別の世界だった。

教室に入ると、いつもの黒板に見慣れない文字があった。担任の先生が、とおると同じく三日間休んでいた「かわたくん」の名前を書いていたのだ。だが、それは苗字だった。そして、そのすぐ隣に、とおるの名前が書かれていた。

「かわた くん」

「とおる くん」

まるで「かわたとおる」という、一人の名前のように見えた。

それを見つけた園児たちが、突然はしゃぎ始めた。

「かわたとおる!かわたとおる!」

最初は意味がわからなかった。何がそんなに面白いんだろう? けれど、すぐに気づいた。ただの偶然を、みんながふざけて面白がっているのだ。

それだけなら、まだよかったのかもしれない。でも、それは次第にただのふざけ合いではなくなっていった。

みんなが声を揃えて「かわたとおる!」と叫ぶ。笑いながら、指をさしてくる。昨日まで一緒に遊んでいた友達まで、とおるをからかい始めた。

「かわたとおる!」

「かわたとおる!」

どこへ行っても、それがついてくる。砂場でも、ブランコでも、お弁当の時間でも。いつもなら笑顔で迎えてくれるはずの友達が、今はまるで別人みたいだった。

たった三日休んだだけなのに。

昨日まで楽しかった幼稚園が、息苦しくて仕方ない場所になった。胸の奥がぎゅっと締めつけられるような感覚。どうしてこんなことになったんだろう? どうしてみんな、急に変わってしまったんだろう?

笑い声が、遠くで響いていた。

でも、それはもう、とおるには届かなかった。

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とおるにとって、幼稚園はすっかり息苦しい場所になっていた。教室に入れば、「かわたとおる!」と笑われ、園庭に出れば、それがどこまでもついてくる。昨日まで仲の良かった友達までが、面白がってからかってくる。

もう幼稚園なんて行きたくない――そんな気持ちを抱えたまま、週末を迎えた。   つづく。。。

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前回AIにどういう解決法があるか問いましたが
幼稚園児の僕にはお先真っ暗でした。し、、、いじめは奇跡でもおきないと無くならないのかも知れません。
大人の世界でもそうです。
そして奇跡がおきます、、、

つづき、、、

そして、迎えた月曜日。

とおるは重い足取りで幼稚園へ向かった。今日もきっと、あの言葉が飛んでくるのだろう。憂鬱な気持ちのまま教室のドアを開けたその瞬間――。

「今日から新しいお友達が来ました!」

先生の明るい声に、教室がざわめく。そして黒板に書かれた、新しい園児の名前を見た瞬間、教室は静まり返った。

「(かわた とおる)くんです!」

……まさか。

とおるは思わず目をこすった。黒板に書かれた名前を見ても、先生の言葉を思い返しても、聞き間違いではない。

クラス中が息をのむ。誰かがクスクス笑う。次の瞬間、誰かが言った。

「……ほんものの、かわたとおるだ!」

そして、一斉に笑いがこぼれた。いや、今までのからかいの笑いとは違う。驚きと、面白さと、何よりも 「こんなことってあるのか?」 という、子どもながらの純粋な感動が混ざった笑いだった。

その日を境に、「かわたとおる!」の大合唱はぴたりと止まった。

もう「ふざけたあだ名」ではなくなったから。

からかっていた子たちは、どこか気まずそうにしながらも、自然と話題を変えていった。あれほど苦しかった幼稚園が、少しずつ、もとの楽しい場所へと戻っていった。

転入生の”かわたくんとおる君”は、どこ吹く風といった様子で、クラスに溶け込んでいった。彼が何も知らずにやってきたことが、まるで魔法のように、とおるの世界を救ったのだった。

偶然なのか、運命なのか。

5歳のとおるには、それを考える余裕はなかった。ただひとつ確かなのは――

「かわたとおる」のおかげで、とおるはまた、笑えるようになった。

★★HAPPY END★★

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かわたくんとおるくんそれぞれの漢字も同じでしたので

驚愕でした。(とおるのみ自分で実名)

幼稚園生の僕たちには解決できないものでしたが

学期途中にドンピシャなタイミングでドンピシャな友達が現れるなんて

物凄い確率ですよね、、、、。

 

人って些細なことでいじめたりいじめにあったりすると思うのですが、

それには、ストレス、性格、タイミング等、、色んなトリガーが存在しえます。

自分の健康だけでなく、人を愛せるよう心掛けたいと思います。