MARC PANTHER

Globe-Trotters Journal

祈りの灯り ― 佐世保の精霊流し

Aloha! 水曜日担当のKEIKOです。1日遅れの投稿です。

 

毎年8月15日、佐世保の夜に響く爆竹の音とともに始まる「精霊流し」。

これは長崎県特有の精霊流しで、初盆を迎えた故人の霊を弔い、

極楽浄土へと送り出すための伝統行事です。

 

精霊流しといえば、長崎市の勇壮な流しが有名ですが、ここ佐世保でも市民によって

大切に受け継がれてきました。

佐世保の精霊流しは、業者さんへ依頼したり、遺族が手作りした「精霊船(しょうろうぶね)」を

引きながら街を練り歩き、故人との最後の別れを告げる厳かな儀式です。

 

精霊船には、提灯や造花、家紋や故人の好きだったものが丁寧に飾られ、

その人の人生を表すような個性あふれる装飾が施されます。船には「◯◯家 」などの文字が記され、

親戚や友人の方々が一緒に船を引き、故人の魂に寄り添います。

 

 

精霊流しでは、爆竹が派手に鳴り響き、鉦(かね)の音や掛け声が町にこだまします。

その光景はまるでお祭りのようにも見えますが、本来は仏教に基づく供養の儀式。

爆竹は邪気を払い、故人が無事にあの世へと旅立てるよう願いを込めたものです。

 

行列が進むにつれ、沿道の人々も手を合わせたり、静かに見守ったりと、

それぞれの想いで参加しています。

近年は若い世代の参加も増え、地域のつながりとともに、平和への祈りや命の大切さを

次の世代へと受け継ぐ場にもなっています。

 

佐世保の精霊流しは、派手さだけではなく、ひとつひとつの船に込められた想い、

静かに手を合わせる人々の姿にこそ、深い意味があるのだと感じさせてくれます。

 

我が家はたくさんのお土産を詰め込んだ、Dad and Mom、ご先祖様とKennedy君の

こもを持っていき、また来年帰ってきてねと見送りました。

今年もまた、あの灯りとともに、亡き人への感謝と平和への願いが佐世保の街を静かに包み込みます。

 

自家焙煎珈琲豆処:Hoaloha Kope

 

  • シェアする
  • Facebook
  • LINE
  • X

コメントする

コメントを入力