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「いつものパンがあなたを殺す」から学ぶ ― 脳と腸を守る食の話 ―
こんにちは。
山口県山口市の 自律神経専門整体 GREEN です。
毎週日曜日、「体と心のバランスを整えるヒント」をテーマにブログを更新しています。
今回ご紹介するのは、医学博士 デイビッド・パールマター 著、クリスティン・ロバーグ 共著、白澤卓二先生 訳の話題作
『いつものパンがあなたを殺す』 という本です。
タイトルだけ聞くと衝撃的ですが、内容はとても興味深く、「私たちの“当たり前の食生活”が、実は脳や心の不調をつくっているかもしれない」という大切なメッセージが込められています。
■ 東洋医学にも通じる「未病」という考え
古代中国の医学書『黄帝内経(こうていだいけい)』には、こんな一節があります。
「病気が現れてから治療を施すのは、喉の渇きを覚えてから井戸を掘るようなものだ。」
つまり「病気になる前に、生活を整えることこそ大切」という考え方です。
この視点は、現代の栄養医学とも深く通じています。
パールマター博士も同じく、「病気の多くは生活習慣、特に“食べるもの”を見直すことで予防できる」と述べています。
■ 脳は“食べたものでできている”
私たちの脳は、実は非常に“食べ物に敏感”です。
日常的に食べているものが、脳の働きや気分、集中力にまで影響を与えています。
博士は「脳機能障害の多くは、日常的に食べているパンや炭水化物の摂り方に原因がある」と指摘しています。
糖質の摂りすぎや、グルテン(小麦たんぱく質)の過剰摂取は、体内の炎症を引き起こし、それが脳の働きを鈍らせる。
実際、糖尿病の人はアルツハイマー病の発症リスクが2倍 になるとも言われています。
■ 現代の食事バランスの崩れ
本の中では、私たちの祖先と現代人の食事バランスを比較しています。
祖先の食事
脂肪 75%
たんぱく質 20%
炭水化物 5%
☆☆☆
現代の食事
脂肪 20%
たんぱく質 20%
炭水化物 60%
わずか1万年という短い間に、私たちの食生活はここまで変化しました。
本来、人間の体は高脂肪・低糖質の環境に適応していたのに、今は真逆。
このギャップが、慢性炎症や脳疲労、心の不調 を生み出しているといいます。
■ “炎症”がすべての不調のはじまり
研究では、脳疾患を含む多くの現代病の根本原因が「炎症」であることがわかっています。
炎症が長引くと、細胞が傷つき、心臓病・がん・糖尿病・アルツハイマー病などの発症リスクが上がります。
特に、グルテン と 高炭水化物食 は、体の中で炎症を起こしやすい組み合わせ。
グルテンを多く含む穀物は、分解されると脳の“オピオイド受容体”に結びつき、一時的な快楽を生み出します。
つまり、「パンやドーナツがやめられない」のは、脳が“クセになっている”から。
アヘンや麻薬と似たような仕組みが関係しているというのです。
■ 実験:どれが最も血糖値を上げる?
著者が医学関係者に行った講義で、こんな質問をしたそうです。
次のうち、最も血糖値を急上昇させるのはどれでしょう?
① 全粒小麦パン
② チョコバー
③ 砂糖大さじ1杯
④ バナナ
正解は ① 全粒小麦パン。
意外ですが、精白小麦のパンとほとんど同じレベルで血糖値を上げるのです。
“健康そう”に見える食品でも、実は体に負担をかけていることがある――。
この結果を知ると、「毎朝のパン」を見直したくなりますね。
■ では、どんな食べ物が脳に良いのか?
博士がすすめる「脳が喜ぶ食材」はこちらです。
魚介類、卵、肉、甘さ控えめの果物、ナッツ、
オリーブオイル・ココナッツオイル、
アボカド・ブロッコリー・トマトなどの野菜、
発酵大豆食品、純粋なバター、ハーブ、香辛料、
カカオ70%以上のチョコレート、
そして赤ワインを1日1杯程度。
まさに「地中海食」や「祖先食」に近いスタイルです。
■ 日常でできる小さな実践
私自身も、できる範囲で生活習慣を整えるよう心がけています。
起床後は口腔ケアと白湯
8分間の足湯
瞑想と線香で心を落ち着ける
掃除と布団を整える
朝の換気と散歩、神社参拝
深呼吸(ニュースは見ない)
土用期間に合わせた3日間の断食
空腹時間を意識的につくる
水・コーヒー・緑茶をこまめに
湯船に浸かる
食べすぎず、ストレスをためすぎない
すべてを完璧にする必要はありません。
大切なのは「自分の体に合っているか」を感じながら、少しずつ続けていくこと。
■ 最後に
『いつものパンがあなたを殺す』は、決して「パンを悪者にする本」ではありません。
むしろ、「自分の体にとって本当に良いものは何か?」を問いかけてくれる一冊です。
食べるものを少し変えるだけで、
心が軽くなったり、朝の目覚めがよくなったり、集中力が上がることもあります。
日々の小さな選択が、未来のあなたの体と心をつくります。
今日の食卓に、ほんの少しだけ“脳にやさしい選択”を取り入れてみませんか?
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