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毎度、落合商店です。
今週も落合商店独自の目線で街や物事を見る『OCHIEYE’S PRESS』をアップします。
先週に続きシャツネタです。
今回もドレスシャツに分類されるアイテム。
フリルシャツ。
どうだろうか?どちらかと言うとガーリーな印象を受ける方が多いのかもしれない。
しかしルーツはヨーロッパの王侯貴族の象徴で、男性がフリルシャツを着用していた。
なるほど。ゴシックロリータやヴィジュアル系を好む方々は
ヨーロッパ文化を思わせる幻想的な装いをルーツにしたスタイルを好んでいる。
美しい西洋文化。
日本では美は女性のもの、男性に美意識など必要ないという考えが根付き長く続いた。
それで日本ではフリルシャツは男性には浸透しなかったのかもしれない。
同時に19世紀のシャツの簡易化の流れの中で男女共にフリルが政策上の手間、着用時の機能面で不要なことから徐々に減っていたとも考えられる。
しかし、ヨーロッパ以外でアメリカでもメンズフリルシャツが生産されていたので普通に着られていたのではないかと思う。
画像の私物シャツも70年代の物だ。
そう考えると、男性に美意識不要という日本で
同時期70年代に沢田研二ことジュリーがテレビの中でメイクや様々なファッションでお茶の間に現れていたことは衝撃的、且つ早すぎたのかもしれない。
しかし、それはやはりテレビの中の『スター』だったからこそ人々を魅了させることができたのであり、同時に嫌悪感を抱いた方もいただろう。

▲フリルシャツは着ていなさそうだが、ハットの大振りのフラワーコサージュ、大判ストールを纏ったエレガントなジュリー。
私が中学生だった90年代。
globeと共に時代を彩ったミュージシャンがフリルシャツを着ているのを見た。
同時に『MEN’S NON-NO』でポール・スミスのフリルシャツを見たことをきっかけに
フリルシャツへの憧れが強まり、欲しくてたまらなくなった。
マーク・パンサー氏のHP内で他のミュージシャンの名前を出すのもどうかとは思ったが、同じ90年代の良い音楽で溢れていた時代なので、どちらが好き嫌いではない。
まずは『ミュージックステーション』出演していた黒夢の清春。

▲カウボーイハットに白いファージャケットにパンツ、手袋までも白でジュリーのエレガントさを彷彿させる。
清春も幼少期に沢田研二に憧れていたからか、ジュリー感漂う衣装。
フリルはあまり目立たないがアウターから時折フリル部分が覗いており、今見てもお洒落過ぎるファッションだ。
globeファンの皆さんには、食わず嫌い王でKEIKOさんと対戦したこと。
また、『笑っていいとも!』のテレフォンショッキングでKEIKOさんに繋いだことで
お馴染みだろう。
そして何よりもフリルシャツに強い憧れを持つきっかけになったのが、シャ乱Qのつんくである。

▲メンバー全員ド派手な衣装が唯一無二で格好良い。
この『ズルい女』は売れに売れ、この歌を歌う時は毎回この衣装だったので何度も目にしていた。
その度に赤いフリルが袖口でなびく姿が派手で格好良かった。

改めて見るとかなり大振りなフリルで、色、生地の放つ光沢と共に色っぽい。
その後地元(大分県中津市)になぜかあった、メンズティノラスのショップで赤いフリルシャツを奇跡的に見つけるも、とても中学生が買える金額ではなく、
ポール・スミスのフリルシャツも同様に10,000円超えで買える品物ではなかった。
ショップに畳まれたフリルシャツを眺めて終わり。
あれから約30年経った今年の夏前。
近所の古着屋でこのフリルシャツを偶然見つけて、初めて袖を通すことができた。
同時にジャケットからチラリと覗くフリルを見て気付いた。
中学生以前の80年代後半の小学校時代に毎週このフリルシャツを着ている男の子を見ていたことを。

OCHIEYE’S PRESS BACK NUMBER
No.1鳥飼八幡宮
No.20聞きたくないけど知っておきたいこと。誰もが嫌なあの害虫対策を始めよう。
No.22Tokyo illegal street art.
No.27鳥飼八幡宮古着祭りナイトマーケットビアガーデン真夏の夜の夢
No.28真夏の夜の夢のおぼろげな記憶…(古着祭りを終えて)