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Tuesday journal初の記事!
Hi!古岩井です。
今週は、初の記事として現代の食状況を「農家」として「食品開発者」として「食の研究者」として書いていこうと思います。
生活していく中で、人は自然に抗う形で発展してきました。
どのように変化してきたか、その先にあるものを追ってみましょう。
目次
1. 化学の恩恵
2. 農作物の変化
3. 加工食品の衛生管理による影響
4. 選びたいもの
5. まとめ
今や皆魔法使いのように、遠方との連絡や顔さえ見られること、図書館に行かずとも情報が手に入り活用できること、
ある程度の病気も完治できることや、遠方にビューンと行けること、建物も材料を造るのに機械という文明の力。
そして、
農業でいうと「緑の革命」※1があり、大量生産やそれの後押しに品種改良や栽培環境を作り出すことが可能に。
漁業や酪農、畜産も盛んになりました。
化学をもってすれば、なんでもできちゃう時代。
一次産業※2が化学によって発展してきたわけですが、二次産業として食品加工業も変化しています。
[備考]
※1 緑の革命・・1960年代から1970年代にかけて途上国で行われた農業技術革新のことで、科学的な手法を用いて農業生産性を向上させることを目的としています。
※2 一次産業・・自然界に働きかけて作物や資源を採取する産業です。農業、林業、漁業などが該当します。
まず、農家として言えること。
先人達の功績として「手間暇を抑え大量に生産できること」これは本当に素晴らしいことです。
病気に強い作物、環境変化にある程度負けない栽培方法。(品種改良やビニールハウス、屋内での生産)
特に日本人は、甘い!フレッシュ!生!が大好きな民。
輸送や輸送する形(良いチルドや良い冷凍など含む)が叶いました。
ここで、ほうれん草を例に挙げますが、今まで生食で食べてこなかったものが生食で食べられるようになったことは化学の賜物としか言えません。
ただ、料理人の私として思うことは日本の野菜はフレッシュな生食が可能ということを追求し続ける意味は?です。
この変化により、原種に近い作物と比べると、
漢字の見た目で水々しいを選びましたが、語句の意味はどちらも【光沢があって若々しく、新鮮で生気があるという意味】ですが、水分が多いという意味合いをつけたかったので水々しいと書きました。
この水々しさと甘さ、そして皮の薄さが加工食品にした時にどのようなことが起こるか。
簡単に言うと水分・糖分・薄皮で生食したときに美味しい!が叶います。
こうして生食大好きな日本人向けになります。
そしてなんでも甘いことが売り文句になりがちな日本では、「糖度何パー!」「甘くて美味しい!」「甘味のある米」
甘味甘味ってそりゃ、そういうのばかり食べていたら糖尿病まっしぐらじゃん!と思うわけです。
野菜以外も甘味表現「脂が甘い!」などなど・・・
料理人としては甘い=旨い、甘味=旨みではないだよな〜・・・です。
というのは良く理解しているわけですが、
私は原種に近い作物を農薬も肥料も堆肥も除草剤も使わず栽培し、添加物や保存料を使わず加工食品を作っています。
(嫁ぎ先がそういう所だったからですが😇あはは)
この生食崇拝日本人として、うちの栽培したものは原種に近い作物なので生食に向かないものが多い。
その代わり添加物や保存料など使わなくとも加工は可能です。
原種に近い作物は皮がしっかりしていて水分少なめ、甘味よりも旨みが強いので自然のまま加工しても美味しいからです。
逆に水分・糖分・薄皮の作物を加工するには添加物が必要なんだなと感じています。
糖分は菌類が大大大好きなもの。
しっかりと加熱しなければ殺菌ではなく滅菌までできません。
せっかく生食で美味しいレベルなのに、そういう作物は加熱すればもっと美味しくなるものではない。
温度にもよりますが、滅菌する温度での加熱では美味しさが削がれやすいのです。
まず加工食品、食べ物全てが美味しくなければ買ってもらえませんよね。
そうならないために沢山加熱できないので滅菌は化学の賜物の薬液を使うようになりますし、悪くならないためのレモン汁より少量で味も変えずに調節できるpH調整剤、保存による分離を防ぐために増粘剤などなど。
でもこれら魔法のおかげで、長期保存や、いつ食べても分離もせずとろとろのソースがかかったふわふわのハンバーグが食べられたり、ストックしておけるのです。
時間に追われた生活を送る現代人にとっても加工食品は便利ですし頼って良いと思いますが、栄養バランスを重視した加工食品や、サプリメント、薬などで現代人は昔の人よりも身体が丈夫になるはずと思いきや、
生活習慣病の多さ、心の疾患、いろんなデータを古今見比べるとすごい変化です。病人が多いということです。
もちろん医療の発展により、病気が見つかりやすくなっているためもあると思いますが・・・
身体の源、それは食。
その食をどう選ぶかが、これから必要な知識なのではないでしょうか。
日本食は、2013年12月4日にユネスコ無形文化遺産に登録されました。登録名称は「和食;日本人の伝統的な食文化」です。
この和食にヒントがたくさんあると思っています。
が沢山散りばめられた食『伝統的な食文化』です。
【登録理由】
季節の食材を食べることで風土に合った健康管理が叶うように思います。
例えば夏野菜。冬でも食べられる現代はどうなのか。
夏野菜の多くは体を冷やす効果があるとされていますし、極寒の土地ではラードをパンに塗って食べたり動物性の脂をとって脂肪をつけ寒さから身を守ったりと、風土に合ったフードによる健康管理ができているのです。
その時そこに生える物、そこにいる物を食べる。
そんな意味合いが伝わる料理ということが登録理由のように思います。
旬を大事にすることから始めれば、健康と環境を整えていけるのではないでしょうか。
伝統の食文化に触れ、取り入れるきっかけづくりとして『アスカジ動画』を配信しています。
「未来をもっとカジュアルに〜」
「信州のそば」は私が作っています。(ちょっと失敗しているけどもー)
伝統と聞くと堅苦しさや難しさがあるかと思いますが、家庭による伝統は口伝であり体験です。
計量が必要なレシピとは違い、ほぼ感覚。
季節を感じ、心の切り替えや親の大事さ、自然の中の自分の役割などが伝統料理には感じさせられます。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
食べ方や、栄養素、いろいろ考え方はありますが、食は特に自然に寄り添い活用しながら『命をいただく』ことで、体も地球も健康を取り戻せるのではないでしょうか。
その一口が自分の未来を変えます。その食材選びが地球の環境を変えます。
情報を食べずに、自然を食べませんか?
では、また来週火曜日に〜