MARC PANTHER

Globe-Trotters Journal

Tuesday journal vol.2「自然に寄り添う」

Coucou!古岩井です。まずはクイズから😎

Q .10秒のこの動画で、季節がわかりますか?

※長野市の畑の端っこの丘の上にて撮影

たまたま撮っておいた動画を視ていたら日付を見なくとも、大体の季節がわかりました。

皆さんはいかがでしたか?

何月か分からなくとも、鳥の声、草木の状態、雲の形などで、初夏だとわかる。

この動画でわかりやすい鳥の声、キジ。

キョーンキョーンと聞こえましたか?

この時期は嫁探し、縄張りづくりによく鳴いています。

今回は自然の声を聞きながら自然に寄り添った農業者目線で感じることなどご紹介していこうと思います。

【目次】

1.春の声

2.農業

3.虫の存在

4.まとめ

 


1.春の声

宮沢賢治『春』

陽が照って鳥が啼き
あちこちの楢の林も
けむるとき
ぎちぎちと鳴る汚い掌をけむるとき
おれはこれからもつことになる

この詩から読み取ると、あたたかい日差しの中で鳥たち(うぐいす、ひばり、春渡りのオオルリやキビタキ、ツバメかな)の声が響き、木々の周りに靄がかかるような状況から、これから始まる農業を想った詩。

実は、農業をやっていくとこういった自然感覚が常に生まれるのです。

 

例えば、

うぐいすの声、ホーホケキョ。

これ、最初は綺麗にホーホケキョと鳴かないんですよね。


ホーを繰り返したり、短かったり、ギョーーーっと鳴いたり、ホケキョではなくケキョだったり。
まだ寒い時から鳴き始め、だんだん上手にホーホケキョと鳴ける頃には暖かい春になっている。

 

このホーホケキョ練習を聞きながら、暖かい春が来る前に準備をしていきます。

 

農機具の手入れや、竹の間引きから農地で使える支柱作り、昔は竹籠を作ったりしていたんでしょうね。

 

雪で畑に行けないときに、春の準備をする。

 

雪が降る地域では、雪を利用して貯蔵したり発酵物のスピードを調節したりと雪ありきの伝統、知恵があるのです。

長野市では、「今年はなんだか雪が降らないね」と思っていましたが、降り始めが遅く通常雪解けしているはずの今、まだ雪があります。

ホーホケキョ練習もまだ聞こえませんし、毎年毎年自然に寄り添った農業をやっていると環境の変化を感じます。

 


2.農業

慣行栽培も有機栽培も自然栽培も、基本的には自然の声を聞きながら栽培します。分かりやすく言うとこの渡り鳥が来たから、もう〇〇の種まきするかーなんて具合。

とはいえ、栽培方法の違いは??

・慣行栽培とは化学肥料や農薬を使用する従来型の栽培方法です。

・有機栽培とは化学的に合成された肥料や農薬を使わず、有機肥料や天然由来の農薬を使用した栽培方法のことです。

・自然栽培と化学肥料や農薬を使用せず、植物と土の本来の力を引き出す栽培方法です。

結論、

・慣行栽培は化学を駆使。→害が起こる前に対処、理想を求めた栄養を入れることできる。(全て人の力でどうにかする)

・有機栽培は自然化学を駆使。→害が起こる前に対処、理想を求めた栄養を準備できる。(全て人の力でどうにかできる)

・自然栽培は自然を駆使。→害が起こったら対処を毎年の積み重ねでアップデート。(人と自然の力が必要)

 

農薬に関しては主に虫の害を防ぐためですが、

私の見解は農薬を使っても、虫の害はある。詳しい説明はながーくなるので割愛します。

逆に自然栽培(毎年種を自家採取していることが条件)は、虫は来ますが全滅するほどの被害を受けたことはない!

 


3.虫の存在

自然栽培農家の目に見えていること

まずは、それぞれの栽培方法にはそれぞれのメリットがもちろんある。

 

自然栽培のメリットは環境に適応した命を紡げるということ。

 

毎年種を自家採取することにより、その地の気候、変化などの情報を次の世代(種)にちゃんと伝言しており、1代目より2代目、3代目とその地に適した作物になっていく。

虫の存在も関係してきます。

「肥料、堆肥」は虫たちにとって、お店の少ない田舎にどどーん!とできた「大きいスーパーマーケット」。

世界各国の食べ物や、季節関係なく栽培された野菜、牛に豚に、、、まー、なんでもある。そんなイメージ。

食べ物いっぱい!となります。虫たちが集まります。堆肥肥料を好んで食べるミミズをはじめ、柔らかく食べやすい作物があるからこそ、それらを食べたい虫が群がります。

 

その結果、

そこで虫たちから作物を守るため農薬が登場せざるを得ないのです。

 

自然栽培をしていくと、堆肥も肥料も農薬も使わないため作物自体が丈夫で、虫にとっては柔らかく食べやすい作物ではなくなる。齧られても身を守る成分を作り出したりします。

カビなどの外的に攻撃された際に植物が生成する成分サルベストロールは人が食べたときに抗菌作用や癌細胞の死滅効果があるなど、自然栽培の作物を食べるメリットなどで紹介されています。

 


4.まとめ

化学の全ては人のため。

人のために、苦しむことがあるならば考え方を変えればいい。

自然に今一度寄り添いなおし、考え方を自然適応型に変えていけば人にも自然にも本当の意味で共存が可能な何かが生まれるかもしれません。

 

永く農業を続けていくために、

価格高騰があるかもしれない、なくなるかもしれない恐怖を感じながら

農薬や肥料、堆肥にお金を使って物質的に頑張る農業、

それよりも、自然の声を聞きながら作物に寄り添った農業の方が、失敗したとしても自然の脅威に負ける方が何度でも立ち上がれると思う今日この頃です。

ではまた火曜日に👋

夫と私が営む農薬・肥料・堆肥を使わない、いわゆる自然栽培農家maison KOIWAIのホームページには、「栽培から加工まで自然なままに」を主軸に体の源『食』をどのようにして作っているか紹介しております。

 

農作物の変化と食品加工の業

筆者プロフィール