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皆様は「土用(どよう)」ってご存知でしょうか? うなぎを食べる「土用丑の日」がポピュラーですが、土用は、季節の変わり目一年に4回あるのです。東洋医学では、土用には「胃」を大切にすることが大切という教えがあります。
2026年の春の前の、冬の土用は1月17日(土)から2月3日(火)の期間ですが、おご馳走が続く年末年始の後ですので早めに意識してみたいと思います。

☘️「土」は中心🍀
東洋哲学の「五行思想」では、自然界を
木・火・土・金・水 の5つの自然属性に分類して捉えます。
この5つの自然属性は四季にも関連しており
この中で、土だけが「季節と季節の間」に配置されているのが大きな特徴です。
なぜ「土」が中心なのか?
土は「すべてを受け止め、変換する存在」だからです。
自然を思い浮かべてみてください。
木は土がなければ育たない
火は土の上で燃える
金(鉱物)は土の中から生まれる
水は土に染み込み、蓄えられる
土は、すべての性質を受け止めて“次の形”に変える土台なのです。
五行の真ん中に土があるのは、
循環の起点であり、調整役だからです。

この思想は、私たちが身近にふれるものにも表現されています。
相撲の土俵を思い浮かべてみてください。
土俵の上の吊り天井の四隅には四色の房が下がっています。
これは
東には、木の行を象徴する青色の房
西には、金の行を象徴する白色の房
南には、火の行を象徴する赤色の房
北には、水の行を象徴する黒色の房
の意味があります。
そして、
中央には土の行を象徴する黄色い土俵があるわけです。

☘️土用は季節のハブ🍀
土用とは季節のハブ(中継点)と捉えます。
東洋医学では一年を
春・夏・秋・冬 + 土用
というリズムで捉えます。
土用は「季節と季節の間の調整期間」。
年に4回あり、それぞれ次の季節へ移るための準備と立て直しの時間です。
この時期に主役になる臓腑が
脾(ひ)・胃(い)なのです。
陰陽五行説において
「土」の行の臓器は、脾・胃なのです。。
⚠️東洋医学でいう脾胃は臓器とイコールではなく抽象的な働きを表現するものです。脾胃のことは、消化器の働きと捉えていただければ幸いです。
五行は円ですが、土は“ハブ(中継点)”と捉えます
五行は円環(ぐるぐる回る流れ)で描かれますが、
土だけは全方向とつながる存在です。
木 → 土
火 → 土
金 → 土
水 → 土
そして土からまた次の五行へ。
土は“交差点・中継センター”のような時期です
だから土である脾・胃が乱れると、
季節の変わり目に体調を崩す原因になりやすくなります。

☘️体の中心の「胃」🍀
体の中心に位置する「脾・胃」
脾・胃は東洋医学で
食べ物を消化・吸収する
気・血・水を全身に配る
体の「土台」をつくる
という役割を担います。
ですから 脾・胃が弱ると
食欲不振
胃もたれ
下痢・便秘
だるさ、やる気が出ない
気分の落ち込み
などが出やすくなります。
五臓六腑をととのえるためには
まずもって中心の脾・胃をととのえることが大事なのです。
特に土用=体の中心(脾・胃)を整え直す期間
と考えていただければと思います。

☘️土用の食養生🍀
薬膳の考え方で土用期間の養生についてお伝えします。
①「温かくやさしい調理を」
土用は消化力が落ちやすい時期です。
冷たい飲み物や 生ものなどで冷やしすぎない
スイーツなどの 甘いもののとりすぎは、脾・胃に大きな負担になります。
温かく、やさしい調理が基本です。
②「土の気をもつ食材」を選ぶ
五行で「脾・胃」は土に属します。
土用には「土の性質」をもつ食材が適しています。
🌾 穀類(中心)
白米・玄米、雑穀、もち米など
→ エネルギーの源。脾を補う主役
🥕 根菜類
じゃがいも、にんじん、大根、ごぼう
→ 体を安定させ、消化を助ける
🎃 黄色系の食材
かぼちゃ、とうもろこし、さつまいも
→ 脾・胃を元気にする色

③「甘味」は“自然な甘さ”で
東洋医学でいう「甘味」は砂糖の甘さではありません。
穀類の甘さ、野菜の自然な甘さをイメージしましょう
脾を緩め、回復させる働きがあります。
土用におすすめの具体的な薬膳メニュー
🍚 基本の一品
おかゆ、雑穀ごはん、具だくさん味噌汁
胃腸を休ませながら、気を補いましょう。
🍲 おすすめ食材と組み合わせ
かぼちゃ+玉ねぎ+味噌
じゃがいも+にんじん+鶏肉
大根+生姜+だし
消化を助け、体を芯から温めましょう。
🌿 香りのある食材を少量
生姜、ねぎ、しそ、陳皮(みかんの皮)
気の巡りを良くし、胃もたれ予防しましょう
※入れすぎると逆効果なので「少量」がコツ。
土用に避けたい食習慣
▶冷たい飲み物をがぶ飲み
▶夜遅い食事
▶食べ過ぎ・早食い
▶ストレスを感じながらの食事
👉 脾は「思い悩むこと」に弱いです。
「落ち着いて食べる」こと自体が養生です。

体調を崩しやすい季節の変わり目には
いのいちばんに胃腸を整えて
次の季節をイキイキとスタートしましょう!
私共、くすきの杜の
カフェレストランでも土用の養生メニューをご提案しております。
よろしかったらぜひ!
くすきの杜カフェレストランwellness&Herbs

🍀バックナンバー🍀
薬学部の大学で学生さんにお伝えしている内容です。
よろしかったらご覧ください!
vol.1 すてちゃうあるものが神生薬
vol.2 月火水木金土日どう生きる?
vol.3 春はゆるふわ2000年前の教え
vol.4 サウナで整わない人「汗と気」
vol.5 酢豚食べる?麻婆豆腐食べる?
vol.6 葛根湯はゴリマッチョ
vol.7 水2ℓ飲む?「水毒」
vol.8 不眠の漢方朝大丈夫?
vol.9 アパレルは薬?
Vol.10 知ってる?漢方の神様
vol.11 オーガニックお野菜
vol.12 夏は自信満々
vol.13 2千年前の労働注意
vol.14 ありがとうミカン
vol.15 玄米アイディア
vol.16 現代人は頭熱足寒
vol.17 気候とココロ
vol.18 梅雨が育てるメタボ
vol.19 皮膚は内蔵の鏡
vol.20 漢方の矛盾?
vol.21 体内の火と水
vol.22 万病のもと瘀血
vol.23 2千年前の格付け
vol.24 ワンワンの呼吸
vol.25 舌ストロー呼吸法
vol.26 宇宙の神秘?陰陽太極図
vol.27 あなたは人間脳?動物脳?
vol.28 秋は焦らず
vol.29 秋は白
vol.30 重陽の節句
vol.31 短期指向?長期指向?
vol.32 重陽の日秋分
vol.33 アーシングのススメ
vol.34 知ってると出来るの差
vol.35 カラダの結露にご用心
vol.36 胃を大切にする土用
vol.37 必ず陰陽に分かれる
vol.38 レストランはじめます
vol.39 冬はひきこもって
vol.40 未知との遭遇
vol.41 体内ストーブの働き
vol.42 若さは早めに
vol.43 知ってる?このポーズ
vol.44 温泉の十徳
vol.45 陰極まる冬至
vol.46 高校生さんと陳皮づくり
vol.47 火と水の2026年
☘️プロフィール☘️
1968年生まれ 佐賀県伊万里市出身 くすきの杜代表. 漢方薬剤師。
Oriental Life Counselor(四柱推命/行動生態運命学/香港)
薬科大学薬学部非常勤講師
私の人生のミッションは人間の多様性に触れ世の中の陰陽バランスを探求することです。
そして毎月100名様の漢方相談の経験から東洋医学の面白さ楽しさを伝えます!
漢方薬剤師@ともや でした!
佐賀県伊万里市/暮らしと漢方のテーマパーク/くすきの杜
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