© MARC PANTHER. All Rights Reserved.
規格外など食品ロスが非常に多い“みかん” 地元の高校生さんの研究課題でみかんの 皮を生薬に、実をドライフルーツにしたいので協力してほしい!とご依頼頂きました!
もちろん喜んで…!! 何はともあれオーガニックみかんで一緒に作ってみました

☘️陳皮(チンピ)🍀
チンピをわかりやす〜く表現すると
みかんの爽やかな香りで、いろんな滞りをすか〜っとする生薬です。
陳皮(チンピ)とは、温州みかんなど柑橘類の成熟した果皮を乾燥・熟成させたもの。
陳皮(ちんぴ)の「陳」という字には、
「古い」「並べて時間を重ねる」という意味があります。
陳皮は、みかんの皮を乾燥させたのち
長い時間をかけて熟成させたものほど良い生薬と考えられてきました。
そのため中医学では「陳久者良(古いほど良い)」とされ、
熟成が陳皮の価値を高める大切な要素とされています。

主な薬膳的な働きは、
気の巡りを良くする(理気)
胃腸を整える(健脾)
痰や湿を除く(燥湿化痰)など。
消化不良、食欲不振、腹部膨満、痰がからむ咳、吐き気などに用いられます。
漢方では六君子湯や半夏厚朴湯、平胃散などに配合され、
胃腸虚弱やストレスによる不調の改善に活かされています。
香り高く使いやすいため、薬膳や陳皮茶として日常の体調管理にも親しまれています。
🍀陳皮づくり🍀
陳皮づくりの工程は…
①みかんを洗う
↓
②皮をむく
↓
③風通し良く天日でしっかり乾燥
↓
④紙袋で半年〜数年熟成
↓
生薬「陳皮」の完成!
という流れ。
でも、湿気の多い我が国では、
③の工程が難しく、カビやすいので注意が必要です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、実際にやってみました!
使用するみかんの品種は、温州みかんが一般的です。
皮を使用しますので、無農薬または低農薬が望ましいです。
完熟で香りが強いもの、皮に傷・カビ・黒斑のないもの
収穫後すぐより、数日おいて甘味がのったものの方が香りが濃くなるとされます。
今回は、高校生さんがご自宅で育っていた
無農薬のみかんを持ってきてくれたのでそれを使用しました。

①みかんを洗う
洗浄(農薬・汚れの除去)
流水でしっかり洗い、
重曹水(小さじ1を1Lの水)に10分ほど浸します。
再度流水でこすり洗い、布巾で水気をしっかり拭き取ります。
ヘタ部分もしっかり洗います。
②皮をむく(形状はお好みで)
伝統的な陳皮の形は、みかんの皮を3〜4枚の花びら状にむく
(みかんを十字に切り込み → むく)
家庭用の作りやすい形としては
なるべく大きめにむく
千切りにしてもOKです。(乾燥が早いです)
ちなみに
白いワタ(アルベド)は多少残っていてOK。
香りと薬理成分(ヘスペリジンなど)はワタにも含まれるからです。
高校生さんたちと手作業で皮をむきました。

⑤ 乾燥させる(最重要工程です)
【天日干しの場合】
この場合、皮をザルに重ならないよう広げ
カビ防止のため、必ず風通しの良い場所で
2〜3日、日中は天日干しします。
夜は室内へ移動させます。(夜露で湿気るため)
完全にカラカラになるまで 4〜7日繰り返します。
乾燥の目安としては
折るとパキッと割れる
指で押しても柔らかい部分がない
色は濃い橙〜茶色になる
ただし、前述しましたが湿気の多い我が国ではなかなかに困難です。
【低温オーブン乾燥の場合】
天候が悪いときに便利です。
50〜60℃で1〜2時間
その後、1日外で陰干しし
カラカラになるまで繰り返します。
ご家庭でやるにはこの方法がいいかもしれません。
【食品乾燥機の場合】
これが最も確実な方法です。
今回の陳皮づくりも弊社の乾燥機を使用しました。
55〜60℃で6〜10時間が目安です。
(機種・量で差があります)

途中で上下のトレイを入れ替えると均一に乾きます。

④熟成させる(“陳”皮の大切な工程)
今回の高校生さんの体験では、乾燥させるところまでやりましたが、
乾燥しただけでは「乾燥みかん皮」です。
ここから寝かせて 香りを熟成させることで「陳皮」になります。
熟成の方法は
完全乾燥した皮を密閉せず、和紙袋・紙袋・布袋に入れます。
そして湿気の少ない場所で保存します。
ときどき袋を開けて湿気を逃がすことが大切です。(1〜2ヶ月に1回)
熟成期間は最低でも 6ヶ月
本格的には 1〜3年
中医学では「古ければ古いほど良い」とされ、
3年ものを“老陳皮”と呼びます。
保存については
完全乾燥していれば 常温保存で数年OKです。
密閉容器よりも、湿気対策のため紙袋が向いています。
⚠️カビが出た場合は絶対に使わないでください。
☘️陳皮の活用法🍀
陳皮は、日常で、家庭でも活用しやすい生薬です。
(最寄りの漢方薬局なら販売していると思います)
胃腸がすっきりしない
気持ちがなんだかもやもやする時など
陳皮を使ってみてはいかがでしょう?

陳皮茶 薬膳スープ 陳皮粥
陳皮入り紅茶 魚の煮付けの風味づけ
などなど
☘️地元の宝🍀
今回、地元の高校生さんたちは
学校の研究テーマとしてこの陳皮づくりを
選ばれたそうです。
以前私が、高校で漢方の話をさせていただいた時の話を覚えていてくださり
みかんを陳皮として、地元の食品ロスを、役立てられないか?
と考えられたとのことです。
そのお気持ちに本当に感激しました。
以前から、プロとアマチュアの陰陽について考えていました。
なぜ、高校生の甲子園はあんなに感動するのだろう…?と
我々漢方のプロと、対局にいる普通の高校生さん
この陰と陽の両極端のコラボレーション
これも中庸なのかな?って思いました。
このすばらしい若者を
当くすきの杜の東洋医学で応援できたら
こんなに素晴らしいことはないと思います。
どんな発表をされるか
とっても楽しみです。
🍀年末のご挨拶🍀
あっという間に2025年が終わります。
今年はじめさせて頂いたこのブログも46回目の投稿となりました。
このような素晴らしい場を与えてくださったマークさん
そして読んでくださる方々に心より御礼申し上げます。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
🍀バックナンバー🍀
薬学部の大学で学生さんにお伝えしている内容です。
よろしかったらご覧ください!
vol.1 すてちゃうあるものが神生薬
vol.2 月火水木金土日どう生きる?
vol.3 春はゆるふわ2000年前の教え
vol.4 サウナで整わない人「汗と気」
vol.5 酢豚食べる?麻婆豆腐食べる?
vol.6 葛根湯はゴリマッチョ
vol.7 水2ℓ飲む?「水毒」
vol.8 不眠の漢方朝大丈夫?
vol.9 アパレルは薬?
Vol.10 知ってる?漢方の神様
vol.11 オーガニックお野菜
vol.12 夏は自信満々
vol.13 2千年前の労働注意
vol.14 ありがとうミカン
vol.15 玄米アイディア
vol.16 現代人は頭熱足寒
vol.17 気候とココロ
vol.18 梅雨が育てるメタボ
vol.19 皮膚は内蔵の鏡
vol.20 漢方の矛盾?
vol.21 体内の火と水
vol.22 万病のもと瘀血
vol.23 2千年前の格付け
vol.24 ワンワンの呼吸
vol.25 舌ストロー呼吸法
vol.26 宇宙の神秘?陰陽太極図
vol.27 あなたは人間脳?動物脳?
vol.28 秋は焦らず
vol.29 秋は白
vol.30 重陽の節句
vol.31 短期指向?長期指向?
vol.32 重陽の日秋分
vol.33 アーシングのススメ
vol.34 知ってると出来るの差
vol.35 カラダの結露にご用心
vol.36 胃を大切にする土用
vol.37 必ず陰陽に分かれる
vol.38 レストランはじめます
vol.39 冬はひきこもって
vol.40 未知との遭遇
vol.41 体内ストーブの働き
vol.42 若さは早めに
vol.43 知ってる?このポーズ
vol.44 温泉の十徳
vol.45 陰陽転化・冬至
☘️プロフィール☘️
1968年生まれ 佐賀県伊万里市出身 くすきの杜代表. 漢方薬剤師。
Oriental Life Counselor(四柱推命/行動生態運命学/香港)
薬科大学薬学部非常勤講師
私の人生のミッションは人間の多様性に触れ世の中の陰陽バランスを探求することです。
そして毎月100名様の漢方相談の経験から東洋医学の面白さ楽しさを伝えます!
漢方薬剤師@ともや でした!
佐賀県伊万里市/暮らしと漢方のテーマパーク/くすきの杜
↓ ↓ いいねボタン押していただけたら励みになります。